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地中深く眠る石油を求めて

石油は有機物に富む地層(根源岩)で生成され、長い間にドーム状の地質構造(背斜)の多孔質な岩石(貯留岩)に集積します。
そこで石油を探すためには、地震探鉱によって地下の背斜構造を探し、試掘によって油層を確認します。数々の地質条件がそろわなければ油田は成立しないため、一般に試掘の成功率は極めて低いのですが、当社は1969年の試掘1号井の成功によりムバラス油田を発見しました。
その後も1982年にウム・アル・アンバー油田、1983年にニーワット・アル・ギャラン油田をそれぞれ試掘1号井により発見いたしました。これは、世界的にみても極めて高い発見率です。

地震探鉱

通常圧縮空気などで海上で振動を発生させ、地下の地層境界で反射した反射波を海上の地震計でとらえ、その記録をコンピュータで処理・解析することによって地下の地層構造を解明します。

探鉱井の掘削

地震探鉱などによって発見された有望構造については、ガスや油の賦存を確認する目的で坑井を掘削します。
この坑井によって油・ガス層が発見されると、次に油・ガス層の広がりを確保する目的で、さらに坑井を構造周辺部に掘削します―これらの坑井を探鉱井と呼んでいます。これらの坑井から得られるさまざまなデータから、埋蔵量及び油・ガス層の産出能力などが得られ、開発への意志決定が行われます。
坑井の掘削には、リグと呼ばれる掘削装置を用いますが、その作業には高度な技術と細心の注意が必要です。

油田の特徴

ムバラス油田およびヘイル油田は下部白亜系の石灰岩が主要貯留岩であり、ウム・アル・アンバー、ニーワット・アル・ギャラン油田はジュラ系の苦灰岩が主要貯留岩です。
これらの貯留岩は地下約2400~3600mに滞在しています。

貯留岩の評価

石油生産に必要な貯留岩(油層)の性質を把握するために、坑井内に測定器を下げて地層調査(電気検層)をしたり、地下から採取した岩石試料を分析して、油層の地質モデルを作成します。当社は核磁気共鳴やCTスキャンなどの新技術を導入した油層解析手法の開発や、石油集積の経路や時期を解明するための地質学的調査にも取り組んでいます。

開発・生産

油層評価の結果、十分な埋蔵量と生産性を有すると判断された場合、技術的・経済的評価を行って、その油層規模に応じた開発計画を策定します。この段階では、取得された全てのデータに基づいて、油田特性を検討する一方、油層数値モデルを構築して将来の生産挙動予測を行い、油田寿命を通じた経時的な評価も行って、総合的に最適な採油方法および開発方法を検討し、開発計画ができあがります。
開発への意思決定がなされ、開発計画が確定すると、それに沿って坑井を掘削し、並行して生産施設を設計・建設します。こうして、1つの油田が幾重もの困難を経て産声を上げます。
このような過程を経て1973年にムバラス油田、1989年にウム・アル・アンバー油田、1995年にニーワット・アル・ギャラン油田、そして2017年11月にヘイル油田の生産がそれぞれ開始されました。

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